フルタイムで仕事をしている場合の障害年金の受給

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 湯沢和紘

最終更新日:2023年03月09日

1 就労と障害年金

 障害年金は、病気や怪我が原因で日常生活や仕事が制限されてしまう場合に受け取ることができる年金です。

 障害年金の障害認定基準には、2級の障害の状態の基本として、以下の記載があります。

 「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。

 この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のものである。

 例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。」

 この基準からすると、仕事をしている方が、2級の障害年金を受給できるかどうかが問題となります。

2 就労と精神の障害に関する障害年金

 精神の障害に関する障害年金の等級は、診断書の「日常生活能力の程度」及び「日常生活能力の判定」を元にして目安となる障害等級が決められ、総合考慮のうえ等級が決まります。

 その際に、“働けている”ということは、障害状態が重くないと受け取られかねない要素です。

 しかしながら、厚生労働省が定めた「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」では、「労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類・内容・就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを十分確認したうえで日常生活能力を判断する」とされており、就労しているからといって、直ちに障害年金の受給が否定されるわけではありません。

3 フルタイムの仕事と障害年金

 フルタイムで仕事ができるということは、労働に制限を受けていないと考えられる要素であるため、障害の認定に否定的な要素となります。

 しかしながら、「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」では、「就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型、就労継続支援B型)及び障害者雇用制度による就労については、1級または2級の可能性を検討する。就労移行支援についても同様とする。」と定めており、これらの支援を受けている方であれば、障害の状態次第では、フルタイムで働いていても2級の障害年金が認定される可能性があります。

 また、フルタイムで働けている方であっても、障害厚生年金3級の要件を満たす可能性はありますので、一度、専門家にご相談ください。

4 当法人にご相談ください

 勤務時間はフルタイムであったとしても、障害の状況によって、就労の状況と収入は全く異なります。

 障害年金を受給できれば、生活状況をより良くできる可能性がありますので、フルタイムで働いているからといって申請をあきらめずに、まずはご相談ください。

 横浜にお住まいで、障害年金の申請を希望される方からのご相談をお待ちしています。

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