学生でも障害年金の支給を受けられるか

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 湯沢和紘

最終更新日:2022年06月23日

1 学生の障害年金受給

 学生だからといって一律障害年金が受給できないわけではありません。

 もっとも、多くの場合学生は10代から20代前半ということになってくるかと思いますので、その状況で確認しておくべき点があります。

2 10代では原則として障害年金の受給はできません

 障害年金は、年金制度の1つです。

 「年金」と聞けば、たいていの方は、65歳になってから受給する国民年金、厚生年金を思い浮かべるのではないでしょうか。

 これらは老齢年金と呼ばれる年金です。

 老齢年金の方で考えていただくとわかるかと思いますが、年金制度は、国民から支払われた年金保険料から支給されるものとなっています。

 そのため、年金制度の原則からすると、年金保険料の納付義務のない20歳前の方は、通常の場合障害年金受給の対象となりません。

 あまり例は多くないかとは思いますが、例外として、10代で仕事について厚生年金保険に加入されていた方の場合で、障害年金の受給要件を満たすに至った場合には、受給できる可能性があるといえます。

3 20歳前障害基礎年金

 障害年金の種類を規定する重要な基準として、初診日というものがあります。

 これは、申請しようとしている障害年金に関して一番最初に医療機関を受診した日です。

 この初診日が20歳前の場合には、通常、20歳前障害基礎年金の申請を行うことになります。

 20歳前障害基礎年金の場合には、20歳になった日の前日が障害認定日とされています。

 そして、20歳前の時点では保険料納付義務がないことから、保険料納付の要件は問題とされません。

 そのため、学生であっても、要件を満たしていれば、障害年金を受給できるということになります。

4 20歳以降に初診日がある場合

 20歳以降に申請する傷病についてはじめて医療機関にかかった、という場合には、通常の障害年金申請となります。

この場合には、保険料納付の要件を満たしているかの確認も必要になります。

 保険料納付要件というのは、おおむね初診日を基準に(初診日の属する月の前々月から)①1年間未納がないか、②2/3以上の納付要件を満たしている、という要件のことです。

 学生特例を利用してれば、学生特例期間中は未納期間と扱われませんので、納付要件の方は満たしていることの方が多いといえるかもしれません。

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