障害年金を受給することによるデメリット

文責:社会保険労務士 大原啓介

最終更新日:2023年06月05日

1 障害年金受給に関するデメリット

 障害年金を受給することによって、ある程度デメリットと評価できるものがあります。

 一定額の継続的な年金を受け取れるという大きなメリットと比較すると、障害年金の受給を断念するほどのものではないと思われますが、いくつかご紹介いたします

2 老齢年金への影響

 ⑴ 通常65歳から受給が始まる、いわゆる国民年金、厚生年金等と呼ばれているものは、厳密には老齢年金という種類の年金となります。

 ご存知の方も多いかと思いますが、老齢年金は受給開始までの保険料の納付状況に応じて受給額が変わってくる年金です。

 障害年金2級以上になるとまず年金保険料の納付義務が免除され(法定免除といいます。)。

 その結果として、65歳までに納付する保険料の額が減額されることになります。

 ⑵ 特に、多くの障害年金の認定は「有期認定」といって、1年から5年程度で更新が必要となり、更新時の審査結果によっては支給停止となることがあります。

 支給停止に加えてその後の老齢基礎年金の受給額も減ってしまうとなれば、影響は小さくないともいえます。

 ⑶ 一応、障害年金受給後も年金保険料の納付を継続することも可能です。

 ただ、法定免除の場合には1/2の期間分納付したものとみなして老齢基礎年金の額を算定されますので、その限りでは減額の幅は限定的といえます。

 障害年金の受給が認められることにより、その間保険料の納付が免除された状態でかつ定額の受給が継続されることになるわけですので、障害年金の受給を控える理由にはなりにくいかと思います。

3 扶養についての影響

 兼業主婦の方等で、不要の範囲でパート勤務等されている場合等があるかと思います。

 障害年金受給中の方の場合には、障害年金も収入として考慮されることになります。

 障害年金を受給されている方の場合には130万円から180万円まで増額されますが、例えば障害基礎年金の場合には年額約78万円程度支給されますので、50万円程度の収入で扶養から外れるようになります。

 被扶養者としての立場を維持するために年額50万円程度までしか働けなくなる、という見方をすればたしかにデメリットといえなくもありませんが、それ以外に年額で80万円近く受給できるようになるというメリットの方がはるかに大きいのではないかと思われます。

4 死亡一時金や寡婦年金の受給についての影響

 死亡一時金も寡婦年金も、本人ではなく、同一生計の配偶者等に支給されるものです。

 いずれも死亡する方が障害年金を受給している場合、ご家族へ支給されなくなってしまいますので、その意味ではデメリットといえます。

 もっとも、死亡一時金は、保険料420か月以上(35年間)納めた場合でも最大32万円程度、つまり障害年金3級の場合の1年分の支給額にも満たない金額が受給できなくなるにすぎません。

 寡婦年金は60歳から65歳までの間受給できるものの、金額は死亡した夫の加入期間を前提に計算した年金額の3/4ですので事情によるところですが、支給されるのは60歳から65歳までに限られます。

 障害年金の大半は有期認定ではありますが、更新が認められる場合が多く、5年以上受給できる場合も少なくありません。

 いずれについても、障害年金受給をためらうほどのデメリットとはいいにくいものかと思います。

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