障害年金で後悔しやすいケース

文責:所長 弁護士 岡安倫矢

最終更新日:2025年07月08日

1 障害年金で後悔しやすいケース

 障害年金に関しては、何らかの理由で障害年金を受け取れないことが分かった場合、というのがもっとも後悔しやすいケースといえるかと思います。

 いくつかの具体例を挙げて、今後の参考にしていただければと思います。

2 年金保険料を納めていなかった

 障害年金も公的年金制度からの給付であり、基本的には年金保険料の納付が前提条件となります。

 初診日の前日の時点で、初診日の属する月の前々月までの期間のうち、①直近1年間に未納がある場合、②全期間の1/3以上の未納がある場合には要件を満たしていないものとして、どんなに現在の症状が重くても障害年金の受給の対象となりません。

 厚生年金加入者の方であれば、年金保険料は給与天引きとなるため未納のおそれは基本的にないといえますが、個人事業主の方、退職後に転職活動中の方等の場合にはご自身で納付しなければいけません。

 怪我や病気のため、将来障害年金の対象となるような障害の状態になった際に後悔のないよう、年金保険料はしっかり納めておく方がよいと思います。

3 納付免除の手続きをしていなかった

 障害年金を受給するための保険料納付の要件は、上記2のとおり、一部の「未納」があるか否かで判断されます。

 この点について、生活に困窮する等、年金保険料の納付が難しい場合には、状況に応じて、年金保険料の一部ないし全部について納付の免除を受けることができます。

 初診日の前日までに免除の手続きをした月については、保険料を納めていなくても「未納」ではありませんので、例えば直近1年間全額免除となっている場合には、障害年金との関係では保険料納付の要件は満たしていると判断されることになります。

 「未納」というのは、取るべき手続きをとらず、かつ保険料の支払いもしていない状態ですので、年金保険料を納められる状況でない場合には、免除の手続きをしておくことをおすすめします。

4 初診日の記録がない

 上記のとおり、障害年金の前提条件として年金保険料の納付状況を審査されるわけですが、この基準時を定める初診日(障害の原因となった傷病について初めて医療機関を受診した日)が明らかにできないために、障害年金の受給が認められない、というケースは少なくありません。

 「障害の原因となった傷病について初めて」となるため、例えば同じ症状で10年単位で通院をし、途中で転院を3か所、4か所と転院していた場合でも、あくまで最初に通院した病院を初めて受診した日が初診日となります。

 10年以上前に通っていた病院にはカルテなどの医療記録が残っていない場合が多いです(保管は原則5年とされているため)。

 こういったケースで、例えば発行日のある診察券(通常診察券は通院初日に発行されるため)やお薬手帳をしっかり記録保管していたことで、初診日が特定できる、といったことがあります。

 お薬手帳や診察券を捨ててしまった等で後悔するケースがあるため、資料の保管を心がけておくとよいと思います。

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